バカな頭で考えた!

子ども映画教室!

愚かな青年のことはさておき、さておこう。あまりにも想像力に欠けた青年だ。ほっとこう。

行って来ました。金沢へ。金沢子ども映画教室に行って来たのです。先週の土曜日から3日間の教室。

冨樫監督に誘われました。

僕は子どもじゃないのでスタッフとして手伝うのです。

金沢子ども映画教室は金沢にあるミニシアターのシネモンドさんの企画です。

子どもだけでお話考えて撮影して編集して上映するのです。

これを3日間でやるのです。子どもは班ごとに分かれてその班ごとに大人がサポートとしてつきます。

僕はB班のリーダーになりました。他に大人のスタッフは地元の美大生の女の子OLの子がつきました。

子どもは男の子3人女の子4人主に小2〜小4の子達です。

大人は基本口出ししません。見守るのみです。今からこういうことします。とは言います。で、あとはお任せします。

頑張って。という方針です。カメラとかマイクとか技術的なことを聞かれたら答えます。

そんな3日間。

初日はまず冨樫監督の「非バランス」を子どもたちが鑑賞します。その後、映画に対する質疑応答。

んで各班に別れてお弁当を食べます。男の子がイチゴをくれました。

食後は冨樫先生の授業。映画っていうのは平坦な日常を送っている主人公が誰か(何か)に出会ってグジャグジャ色々体験して映画の始まりに

居た場所より高い所に行くもの。って子どもに語ります。そうなんですね。冨樫さんの助監督を何本かしましたがそんな授業は受けたことなかったです(←当たり前)

ということで、今年は「誰かが、誰かに(何かに)出会って••••」というテーマで各班映画を撮ることになりました。そして、映画の裏テーマは「伝える」ということ。「伝える」ということを頭において映画を撮って欲しい。

って、冨樫先生が熱く語るのを真剣な表情で見守る子ども達。

と言いたいところですが、そういう子どもばかりではありません。興味のない子、集中力のない子もいますよそりゃ。イチゴをくれた子とかね。

それも含めた子ども映画教室。どうなることやら。本当に映画は完成するのか?ドキドキしてきます。

まずはお話作りです。スケッチブックとマジックを渡します。今年のテーマにそって「誰と」「誰が」というのを決めていきます。とはいえ、そんなにスムーズに行きません。紛糾します。こっちを頼ってきたりしますが「みんなで決めてよ」と投げ返します。リーダーシップを取る女の子がいます。自己主張の強い男の子がいます。興味なさそうに遠くを見てる男の子。まだ物心もついてないような小さな女の子••。そんな子達が話し合い。こりゃ大変だべ。でも、おじさんは見守るのみです。ノー介入なのです。

 大体のタイムリミットは告げてあります。シナリオ作りは二日目の午前中まで午後から撮影。3日目の午前中までに撮影を終わらないと夕方の上映に間に合わないぞ、と。例年の流れからすると大体そんな感じだそうです。

 ちなみに今年の講師は冨樫森監督ですが、今までは中江裕司監督、是枝裕和監督、萩生田宏治監督、諏訪敦彦監督が講師としてやって来ました。

さて我々のチームですがゴースト物をやりたい子達とコメディをやりたい男の子が対立しています。コメディをやりたい子は「おばけはぜったいだしたくない!」と折れないのです。話はまとまりません。まとまらないったらまとまらない。どうなるんだ?悪い想像が浮かびます。去年ある班は3日目の午前中までシナリオがまとまらず、3日目の午後になってようやく撮影になってホントにギリギリに完成したそうです。そんなことにならなきゃいいけど••。しかし、そして去年3日目までシナリオを決められなかった原因になった張本人が我が班にはいるのです。二年連続出場です。いいぞ!他の班はガシガシお話が決まっているご様子。

 しかし、人は学習するようです。あんまり話し合いばかりしてると撮影に入れないと彼なりに学んだようです。彼はやりたいことが凄くあってそれを主張しますが、それ以上に早く撮影に入りたいのです。ということで折れました。去年を知ってる大人スタッフが我々の班にはいて、彼女は言いました「一年で成長した」去年は自分の意見が通らないと泣いたりしてたそうです。

 そんなこんなで一日目の終わりには大体のストーリーが出来ました。それはこんなお話。

真面目な女の子がいたずらっこに出会って一緒にいたずらをする。心霊スポットにもいってお化けの真似をして人をおどろかす。が、本物のお化けが出て来て怒られて逃げる。けど、またいたずらをする。

 という話になりました。

細かいシーンごとのシナリオはまだ出来てないけど、それは次の日の午前中に完成させようということで初日は何とか終了しました。

 そして二日目、午前中にシナリオを完成させキャスティングも決めました。僕もお化けに驚かされる人という役をやることになりました。光栄です。各パートも決めていきます。カメラマンと録音部も決まりました。ところが監督が決まってません。「監督は?誰がやるの?」と尋ねると「みんな」と答えます。そうか、みんなで監督するんだ、と思いながら少し嫌な予感がしました。

 んで撮影です。最初は心霊スポットを紹介するニュースキャスターと現場から中継するレポートの部分の撮影です。そこで撮影したものをテレビ画面で出すので先に撮影しなくちゃいけないんです。ぎこちなく撮影が開始します。何て初々しいニュースキャスターにレポーターなんだ。心霊レポートのシーンを撮ってる時にレポーターの後ろをお化けが通り過ぎよう。そしたらすぐに電気が切れるんだ。で、カメラマンとマイクマンが「今の何だ?何だ?」って言おう。なんてアイデアが出る予想外の展開。こういうこと考えつくんですね。

 レポートとニュースキャスターのシーンを撮り終えるとみんなでお弁当。静かにみんなでお弁当を食べる中、一人替え歌を熱唱する男の子。

「それ金沢で流行ってるの?」と尋ねるとみんな一斉に首を振る。早くお弁当食べ終わんないと撮影出来ないよ。

 お弁当の後は近くの学校に移動しての教室や廊下のシーンの撮影。監督がみんななのでいちいち相談です。これは時間がかかります。でも、何となくリーダーシップをとる子が出来て来て心の中で応援します。いいぞ!撮影を見てても気になるところは、誰かしらがそこはおかしいんじゃないかと言い出すのでじっと黙っていることにします。全部が全部そうじゃないけど、基本そうします。見ていて感心したのは、三脚にすえて撮っていたのを本番の途中にカメラを三脚からカチャリと外し芝居をする役者の子に合わせて動き出したこと。そしてカメラを大きく急にパンしだしたので僕たちは写らないように逃げ回ったのでした。何か感動しました。逃げ回りながら思った。何だ普通の映画の現場じゃないか!

 そのカットをカメラのモニターで再生してみんなで頭ひっつけて確認します。みんなヤイノヤイノ言ってます。カメラマンの男の子は三脚からカメラを外す時の画面の揺れを気にしてましたがOKになりました。だいじょーぶ、冨樫監督の「ごめん」にもそんなカットあるよ。

 カメラマンの男の子もマイクマンの男の子もシナリオを決める打ち合わせの時は退屈そうにしてました。でも、撮影が始まると生き生きし始めたのです。技術野郎たちだったんだな。良かった良かった。

 少し時間オーバーで二日目は終わりました。大人たちは撮った映像を編集の為にパソコンに取り込みます。

そして最終日3日目。この日の午前中に撮影を終えて、午後は編集と映画のポスター作りをするのが大体の目安です。しかし、目安は目安で。

この日の撮影は心霊スポットを中心としたシーン。ということで灯りを暗くして怖い雰囲気で撮りたいということになりました。場所は21

世紀美術館の地下の廊下。廊下の灯りを消してしまうと暗すぎて何も写りません。そしてライトの機材はないのです。テレビを廊下の角の写らないとこに置いてそのテレビの光源でボンヤリと照らしてやれないかとしてみたりしましたが、まだ暗いです。他の班の撮影も廊下近辺で行われてるので譲り合いです。けど、中学生の班の撮影を邪魔しちゃったみたいで監督の女の子に怒られました。それに思わず言い返してしまって、あぁ大人げないですね。てんぱってたんですね。明るさを確保するために試行錯誤しますがなかなかうまくいきません。カメラマンの男の子もアイデアを出してくれますが、うまくいかず、そんなのに時間が費やされ、子ども達にも午前中に撮影終わらせないといけないんでしょう、とせかされ、そりゃ分かってるんだ、一瞬、廊下の灯りつけて撮っちゃダメ?って言おうと思ったけど、それじゃ明るくて心霊スポットぽくないべ。時間は過ぎます。気持ちはあせります。

 結論を言えば、近くの別の廊下の灯りが暗めの所に場所を変えて撮影しました。今までの時間のロスを一気に解消するべく頑張ります。

お化け役の男の子は張り切ってずいぶん前から顔を緑色に塗ってます。それがやりたくてしょうがなかったのです。ガシガシ撮って行きます。

「みんな時間ないよぉ」

 お昼の時間になりました。まだ取り残したシーンがいくつか。「みんなどうする。このまま撮ってお弁当にする?それとも

お弁当を食べて撮影する?」女子はみんなこのまま撮影したいと言う。男子は情けない顔して「腹減ったー」

 撮影は続行されることになりました。女子は強いんです。誰かが言いました「メシ押しで行こう」どこでおぼえたんだそんな言葉?

 みんなお腹ペコペコの中ラストシーンの撮影です。ラストなのをみんな意識して他のシーンより芝居に対するダメだしがきついです。芝居を見てカメラマンが言います「このシーンが映画の終わりなんでしょう?うーん」芝居が修正されます。テイクを重ねます。そうだよな、大事なラストシーンだもんな。

 予定を1時間ぐらいオーバーして撮影は終わりました。その時点で13時過ぎ。お弁当を食べたらすぐに後は編集とポスター作り。上映時間は16時30分。時間がないぞ。

 編集班とポスター班とで別れました。僕はパソコンを操作して子どもに指示通りに画面をつないで行きます。簡単な編集ソフトを使ってたので途中から自分でも出来ると思った子が自分でやりたいと言い出しました。ので途中からキーボードのボタンも子どもに押してもらいました。

 んで編集終了。上映用のテープに編集したものを書き出します。それが16時過ぎ。何とか無事完成しました。完成尺は6分30秒。タイトルは「二人といたずら」

 上映会場は21世紀美術科の一階のホール。たくさんのお客さんが来てくれました。

 子ども達が上映前にスクリーンの前に並んで挨拶します。ゾンビの子はまだ顔を緑に塗ったまんまです。(このまま家に帰ってお風呂のお湯を緑色にするそうです)

 挨拶をする子ども達を見ていて何か胸がいっぱいになりました。こんな気持ちになるなんて思ってなかったぜ。

 上映が始まります。ギリギリで完成したのでヒヤヒヤしましたが無事上映は行われ、お客さんもゲラゲラ笑ってくれてほっと胸をなでおろしたのでした。

 感無量!

 我々の班の上映は無事終わりましたが、他の班の編集がパソコンのトラブルで終わらず、急きょ場つなぎでまた子どもたちがスクリーンの前に並び質疑応答になりました。

 冨樫監督がカメラマンの男の子に聞きます。「撮る時何を気にして撮った?」カメラマンの子はこの班で一番無口な子です。なかなか答えません。うーんと首をかしげたまま時間は過ぎます。シーンとした場内。でも冨樫さんは待ちます。そういう時間は平気なんです冨樫監督。

ようやくカメラマンは口を開きました。

「起こってることを撮ろうと思った」

うぉー。

以上。

てな感じで、またカメラマンはその重い口を閉ざしたのでした。

そうだ、起こってることを撮るんだ。そうだそうだ。

勉強になりました。

子ども映画教室の3日間で僕も勉強させてもらいました。

貴重な経験をしたぜ金沢。れんこんうまかったぜ。毎日れんこん食べたぜ。

そして次は高崎。高崎映画祭「あまっちょろいラブソング」上映せまってまいりました。

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