バカな頭で考えた!

宗吉っつあん

と唯一僕のことを呼ぶ祖母が亡くなりました。

週末実家に帰ってお葬式に行ってきました。

97歳だったので大往生です。最近は施設に入ってたりしてました。

最後に会ったのは2年前くらいでしょうか?

おばあちゃんの思い出は色々ありますが、やはり賀茂川を一緒に渡った時のことを思い出さずにはいられません。

あれは15年前のことでした。

一度、バカバカンスのブログで書いたのをもう一回載せてみます。

2008年11月15日

賀茂川を渡る!

>京都と言えば賀茂川です。
街の真ん中を川が流れ、そこを人々が散歩するってのはなかな
か贅沢なことだと思います。昔、住んでいた北大路にもすぐ近くに賀茂川が流れていてプラ
プラと散歩なぞしたものです。
相米慎二監督の「お引っ越し」という映画でも、家のごくごく
近所の賀茂川の河原で撮影されていて見ていてうれしくなりました。賀茂川の水深は浅いです。そして、飛び石をピョンピョンと渡
って対岸に行ける場所がそこかしこにあります。今から十数年前、京都に住んでいた時に名古屋のおばあちゃん
が母と一緒に遊びに来た時がありました。
おばあちゃんは、その当時で既に腰が曲がっていて杖をついて
歩く生活でした。
あんまりたくさんは歩けません。
一緒に映画村やらお寺やらを周りました。
おばちゃんはだいぶ腰が曲がっているのですが、写真を撮る時
だけエイヤ!と腰を伸ばして直立するのでびっくりしました。
腰曲がって写真に写るのが嫌なんでしょう。
桜の季節でした。
一通り周って、北大路の家に帰って一休みをし、それから近く
の賀茂川に二人で散歩に出かけました。春のとっても天気のいい日で。僕らが歩いている対岸にはしだれ桜が満開でした。おばあちゃんと対岸のしだれ桜を眺めます。

賀茂川の川幅は30メートル程でしょうか。

対岸に渡りたいと思います。

方法は二つ。

一つは北山通りの橋まで歩いて行き橋を渡る。

でも結構距離があります。もうたくさん歩いたおばあちゃんと
一緒に歩いていくには距離がありすぎます。

もう一つは飛び石を渡って行く方法。

でも、これもピョンピョン渡って行かなきゃいけないので杖を
ついているおばあちゃんには厳しい。

あきらめるしかないのかなぁ。しょうがないよな。

そんな思いで対岸の桜を眺めます。

おばあちゃんをおぶって渡るか?

でも足場も良くないし危ないよなぁ。

対岸の桜はきれいだ。

けど、あきらめるしかないと、思ってた僕におばあちゃんが言
いました。

「宗吉っつぁん(おばあちゃんはこの世の中で唯一僕をそう呼
ぶ)渡りましょう」

え!

と、思う。

大丈夫か?

でも、おばあちゃんがそう言うのならこの飛び石を自分で渡れ
るという勝算があるのでしょう。

渡ることにしました。

ちょっとした冒険めいた感じになってきました。

そしてこの状況であきらめずに

賀茂川渡ったれ!

と思ったおばあちゃんがかっこいいと思いました。

不安な気持ちで、ゆっくりと一個ずつ飛び石を渡って行きます

ゆっくりとゆっくりと渡ります。

あれぐらい時間をかけて賀茂川を渡ったことはないと思います

そして、無事に対岸に到着しました。

しだれ桜の下に向かいます。

近くで見ると、ますますきれいです。

やっぱ渡って良かった!

おばあちゃんと二人で歩いてると、関西ならではの異常にフレ
ンドリーなおばちゃんに「いいお孫さんですねー」なんて話し
かけられたりしました。
んなこと言われたら、全然いい孫じゃなくてもそういういい孫
モードになっていくから不思議なもんです。

桜の前で写真を撮ることにします。

通りかかったフレンドリーおばちゃんその2に写真を頼みます

「はいチーズ」とシャッターを押す瞬間、やはりおばあちゃん
はエイヤ!と腰を伸ばして直立したのでフレンドリーおばちゃ
んその2を驚がくさせたのでした。

その時の写真があります。他にもおばあちゃんが単独の僕を撮
ってくれた写真もあります。それはおばあちゃんが杖をつきな
がら低い姿勢から撮ってるので、少し仰りめで斜めのフレーム
になっていて結果的には狙ったようなオシャレなアングルにな
っていました。

おばあちゃんが名古屋に帰ってしばらくして手紙が届きまし
た。しだれ桜がきれいだったこととかフレンドリーおばちゃん
のこととか色々書いてありました。けど、正直達筆すぎて半分
くらい読めませんでした。それが残念です。

あれから何年もたちますが、おばあちゃんと会う度にこの賀茂
川の桜の話になります。

おばあちゃんの足はもっと悪くなっていったので、もうあんな
ことは出来ないのです。

一緒に渡って良かったなぁ、と思います。

春の賀茂川。

この話を演出部の先輩にしたことあります。

と、その先輩(かつて「助監督は汚れる」と仕事し始めたばか
りの僕に言った先輩http://info.bakabakance.com/archives/20080520-1.html
を参照!)は

「かっこええおばあちゃんやなぁ。お前そういうことを映画に
せえよ」

と関西弁で言ってくれたのです。

なので、いつかこんなことも映画に出来たらなぁ、なんて思っているのです。

以上、引用でした。

棺桶の中のおばあちゃんをいとこの子供の4才の女の子が何度もふたを開けては見ていました。

このことを大人になっても覚えてるかなぁ?

賀茂川に行く度に思い出すんだろうな。

写真も探したら出てきました。

載せてみます。

おばあちゃんがシャキーンと背中を伸ばしてます。

いい天気でした。

渡って良かった!川は渡らなくちゃならぬ!

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