ちょっと前に飲んで明け方に野方ホープへ行ってラーメンを食べました。
コテコテとかアッサリとか選べますけど普通を頼んで食べました。
普通でも結構コテコテで次の日も一日胃もたれしました。
野方にまつわる思い出で少し苦い思い出が今年別件でありました。
それに加えてこの野方ホープでの胃もたれです。
野方が少し嫌いになりそうなくらいでした。
野方に罪はないけれど。
野方は西武新宿線で新宿から数駅行った普通の商店街がある駅です。
一度撮影で野方にあるハウススタジオに数日通ったぐらいで特に思い出がある街でもありません。
飲んだ後にラーメンを食べたい気持ちは年と共にそんなになくなって来ました。
ちっちゃな丼ぐらいなら台湾ターミー麺くらいの大きさなら食べたいと思うけど。
けどその時はラーメン食べたいと思って歩いてて明け方やってた野方ホープに入ったのでした。
食べながらも思ったし翌日の胃もたれもあって
もうこういうラーメンは無理かもしれない。
と思いました。
もともと昔ながらの中華そばなあっさりしたラーメンが好きだし。
野方ホープに行くことはもうないだろう俺
と思ってたけど。
今日行きました吉祥寺の野方ホープに。
何故か?
それは吉祥寺バウスシアターでやってた「監督失格」を見たからです。
「監督失格」は2005年に亡くなった女優林由美香をかつての恋人で「由美香」というドキュメンタリー映画も撮った
平野勝之監督がその死と向き合う自分向き合えない自分を描いたドキュメンタリー映画です。
評判は聞いてましたがやはり素晴らしい映画でした。
男って、女って、見ながら色々思いました。
映画の中に林由美香のお母さんが出て来ます。
文字通りおっとこまえなお母さんです。
とってもいいキャラクターで見ていて好きになりました。
そのお母さんが野方ホープの社長なのです。
チェーン店で何店もあるラーメン屋さんを経営しているだけあって叩き上げな感じの迫力があります。
映画を見ながら男って女って恋愛って、てっててって色々考えてましたが一つ考えたのが
この映画を見終わったら野方ホープに行こう!
ってことです。
そんな気分になったのです。
幸いにも吉祥寺駅近くに野方ホープはある!
で行きました。初めて行きました。
店は混んでいてカウンター席はいっぱいでテーブル席に案内されました。
映画のインパクトが大きかったので負けないようにラーメンも一番濃い「コテコテ」を頼みました。
でラーメンが来るのを待っていると5人の団体のお客さんが来ました。
けど席が無いので待つ事になりました。
しかし見やればカウンター席はもう空いてるし僕がこのテーブル席からカウンターへと移動すればその5人はテーブルに座れるのです。
なのでお店の人に行ってカウンターへと移動しました。
お店の人が妙にお礼を言います。
カウンターでラーメンを待ちます。映画のことを思い出します。かつてつきあってた彼女は今頃どうしてるんだろう?なんて考えます。そんな映画です。「監督失格」の中には「由美香」の映像がたくさん使われていて、それはつきあってる林由美香と平野勝之が東京から北海道へと自転車で旅する映画です。恋愛の幸せな瞬間もそうでない瞬間も写し出されてます。いやおうなく自分に翻って思い出します。
とラーメンが来ました。
頼んでないトッピングの煮玉子が乗ってます。で「席移ってもらってありがとうございます。サービスです」なんてお店の人が言うのです。
そんなにまでしてもらわなくても、と思いましたがありがたく頂きました。
ラッキー煮玉子です。
林由美香から林由美香のお母さんの野方ホープ社長からもらった気がしました。
コテコテのラーメンは見るからにコテコテです。ここまで来たらいっそのこととカウンターにあったニンニクも一かけつぶして入れます。
で食べました。コテコテを食べました。ええ、とってもコテコテです。でも、そんな映画だったしな。
食べ終わり席を立つと厨房の中からまた「席移ってもらってありがとうございました」ってラーメン作ってた二人から言われました。あのお母さん社長の教育でしょうか?少しわざとらしいくらいですが悪い気はしません。「玉子ありがとうございました」
って言って店を出ました。
外は寒いです。
しかし俺の胃袋はコテコテだ。
きっと明日もコテコテだ。でもいいだろう。きっと明日も「監督失格」のことを思い出すだろう。
野方ホープにもう行くことはないだろう。と、つい最近思ったけどそんなことないな。また行くだろう野方ホープ。