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その封筒にこう書いてある。
「運転免許証を失効させて試験を受け直している方が多くなっています。
失効させないため、誕生日には免許証の有効期間を確認して下さい」
それを読んで、ああこれは俺のことだ。って思いました。
僕も数年前に免許の更新を忘れて運転している時に警察に職務質問されて免許を失効しました。
免許の更新期間は誕生日の前後一ヶ月ですが、その一ヶ月を数日過ぎていて運転していたのです。
これはイコール無免許運転になってしまいます。
そしてそのまま警察署に連れて行かれました。僕の車をお巡りさんが運転し僕は助手席に座ります。
なんせ無免許ですから僕が運転する訳にはいかないのです。制服のお巡りさんの横に座って進む車は不思議な感じでした。
カーステレオはそんなこと知ったことじゃなく僕がお巡りさんに車を止められるまでかかってた音楽をガンガンかけるので
ボリュームを下げたのでした。
警察に行くと何やら偉い役職の人が出て来て改めて色々と聞かれたので素直に答えました。
免許の更新期間が数日前に切れていたのは知っていた。(それは実は知っていたのです)ただその時すぐに行ける状態
じゃなかったので運転免許試験場に電話して、更新期間中に行かないと免許は無くなるのかと聞きました。
すると更新期間が過ぎても半年以内に来れば失効しないと言われたので、なんだまだ半年は運転出来るんだと思い運転
していました。
と、答えました。
これが間違いでした。
免許更新期間を過ぎても半年は免許なくなりませんが、更新期間過ぎて運転することは無免許運転に
なるのです。
と警察の偉い人は言います。
そうなのか、そうなんだ。
運転免許試験場の人も電話でそのことは言ってたはずだ。と、警察の人。
そうだっけ、そんなこと言ってたっけ?記憶にないけど。
そもそも免許を取るときにそのことを習ったはずだ。と、警察の人。
うーん、そんなこと言われても免許取ったのはもう10数年前だしなー。
なんて思ってた。
ま、うかつな奴なんです俺は。うかつですよ
で、うかつな奴はその後どうなったのか?
その警察の偉い人ととのやりとりをしていたのが夜中の一時前くらい。で、一緒に来たお巡りさんと
交通課のある階まで上がり調書を取られました。
実直そうなそのお巡りさんは手書きでゆっくりと調書を作成して行きます。分からないところは先輩の警官に
質問しに行き書き直したりしています。おいおい書き直しかよと思いましたがその書き直しは思いのほかあっさり
書き直しがすんだのでほっとします。果たして違反点数は何点になるのか?お巡りさんに聞きます。
お巡りさんは本をめくり調べて答えます。12点です。12点かー。大きいなー。はー。(ところがこれが12点じゃなかった。
後ほど判明)
調書は粛々と進みます。この間思うことは一つ。
早く家に帰りたい。
夜中の二時にようやく調書が書き終わります。
すると身元引き受け人を呼びなさいと言います。そうしないと警察から出られないと言うのです。思いの他おおげさなことに
なってきました。
そうか無免許だから車を運転して帰らす訳にはいかないんだな、と思います。
じゃぁ運転代行の会社に電話して来てもらえばいいですか?と聞くと、それじゃだめだ、と言う。
分かりました。じゃぁ車はこの警察に今晩は置いて、明日運転出来る人と一緒に来てその人に運転してもらって
帰ればいいですか?と聞くと、そういうことじゃないと言う。君は無免許運転を分かってない。そういう
問題じゃないんだ。
はぁ、無免許運転している犯罪者ってことなんですよ、これは。ようやく僕にも分かって来ました。
にしても夜中の二時。こんな夜中に電話出来ないです。
君も社会人なら誰かいるだろう?とお巡りさん。
誰かって、こんな夜中だし、来る人は免許持ってないといけないし、そんな夜中だから酒飲んでる可能性も高いし
大体そんなことならもっと早く言ってくれればいいのに。二時になってから言われてもなー。
やっぱり二時に電話出来る人はいません、と言うと、じゃぁ朝まで車の中かその辺のベンチにいてもらって
朝になったら誰か呼びなさい、と言う。
要は誰か身元引き受け人が来るまで家に帰れないってことです。
それは勘弁して欲しい。それは勘弁して欲しいでがんす。
ひやー誰かいねーかなー。で電話すること二人目。近所に住む大学の先輩に連絡がつきました。こんな夜中なのに
起きててしかもお酒も飲んでないと言う。これはほとんど奇跡です。
先輩はほどなくやって来ました。ありがたい。これはほんとにありがたかった。で、先輩の運転で家に帰ったのでした。
そんな夜のことをこの封筒見ながら思い出してましたよ。
そんな夜があったなー。
そう言えば忘れてたけど、その警察の交通課にとってもいかついおすもうさんみたいなお巡りさんがいたんです。
僕が調書を取られてる間、交通課の中をちょろちょろ動いてました。
で、連絡のついた先輩を待つ間にそのおすもうさんが僕の座るとこまでやって来たのです。
何だろう?また何か言われるのか?
おすもうさんは言います。タバコ吸うか?と自分のタバコを差し出します。
タバコは吸いません。と答えます。
するとおすもうさんはポケットからクッキーをいくつか取り出します。
で、「白い恋人」じゃないよ。って言う。
そういう時期だった。「白い恋人」の賞味期間か何かが世の中のニュースになってた時期だった。
とてもいかつい外見とは裏腹におちゃめなおすもうさん。そう元朝潮の高砂親方に似ていました。
ありがたくクッキーを頂きました。
そしてこれが飴と鞭ってやつか、とも思った。クッキーを咀嚼しながら思った。
飴じゃなくてクッキーだけど。
クッキーと鞭、か。
いや俺の無知ゆえに引き起こしたこの事態。ならば
クッキーと無知、か。
何て思った。
いや思ってない。
それは今思った。
その後のことを言います。
この違反は19点でした。(12点じゃなかった!)で一発で免許取り消しです。罰金も20万払いました。
で一年後に2日間朝から夕方まで講習を受けてまた一から免許を取り直したのです。
今さら教習所に通うのは嫌なので一発試験を何度か受けました。マクドナルドで
勉強する高校生たちに混じって勉強して学科試験の勉強もしました。
バイクの中型の免許も持ってたけどそれも一緒に失効してしまったので
もう一回取ろうかなーどうしようかなーなんて思って数年たちました。
日々は過ぎ行くよ。
再び封筒の話。
運転免許証を失効させて免許を取り直す人が多いのはこういうことになることを知らない人が多いからじゃないか
なー。
シートベルトのことや酒酔い運転の法律の改正はみんな知ってるけど、無免許運転の法律の改正のことはあんまり知られて
ないと思う。(そうです。いつのまにか無免許運転も数年前に厳罰化していたんです。僕を取り調べたお巡りさんも知らなかった)
この封筒を眺めながらそのニュアンスはまるでない文面だなと思った。
思ったんだよー。
久々に長文。
なのにこんなこと書いてる。
次書く時はドーンとしょうもない話を書きたいもんです。
その所存。
しょぞーん!