バカな頭で考えた!

リモコンってのは

土曜の夜に渋谷のユーロスペースに行きました。僕が助監督で参加したオムニバスが上映初日だったからです。プラスワンという企画で僕は冨樫組に参加しました。まだレイトショーで三週間やるそうなので良かったら見に行って下さいませ。 でユーロスペースに行って映画のチラシをぶらぶらと見ていると見慣れた顔がすました顔で鉄人28号のリモコンを持っている。 奥田っちょです。 「28 1/2 妄想の巨人」という押井守監督の実写作品に出演したようです。 いやね、で気になるのは奥田っちょが持ってるリモコンです。 この鉄人28号を操るリモコン。 これは原作の漫画に忠実なリモコンです。 なんだけど、このアンテナが二本ニョキーと出たリモコンでどう操作するのか? 奥田さんどうしてたのか?どう芝居をしたの? というのもですね、わたくし冨樫監督が撮った「鉄人28号」で助監督してリモコン担当だったのです。 美術部さんが考案したリモコンのボタンに一つ一つ役割を考えなくちゃいけなかった立場だった。 これ真面目に考えれば考える程途方に暮れます。 だってあんな複雑な動きをするロボットはまだ世の中にいませんし、あくまで架空のロボットとリモコンなんですから。 一応、いろんな大学のロボットの研究室に取材をしにいったりしました。 で、そこで開発したロボットもリモコンも見せてもらいました。アシモを見にホンダにも行った。 で、そこの先生も言ってました。 あの二本のニョキーと出たリモコンでどうやって鉄人を操作するのか? 首をかしげます。 これはねテレパシーですね。 操作する人の念があのニョキーと出たアンテナから鉄人へと放射され、それを鉄人が察してくれるんだと思います。やさしく察してくれるのです。なんせ作り始めて28代目ですから。 それぐらいのことはしてくれるんです。優しいんです。ほら顔立ちも何だか優しそう。 ってことでいいじゃん! とも思いましたが、そういうわけにもいかず、リモコンのボタンの一つ一つをこれは右腕のボタン、これは左足。んでこれはキックのボタンで、これはパンチのボタン。これは飛行ボタン。非常停止ボタン。んでこれはナースコールのボタン。看護婦ロボット出動! てな具合いでリモコンの設計図に書き込みコピーして台本に貼っていたのです。 現場で金田正太郎役の池松壮亮くんに教えなくちゃいけませんからね。 いいか池松くん!このシーンは鉄人が右フックをブラックオックスにくらわすとこだから、この右腕ボタンを押しながらこのパンチボタンを押すんだ!んで次はこの右足ボタンを押しながら•• てな具合いに現場でやってました。少しおかしな気分でした。 大体鉄人さんは現場にいませんしね。敵ロボットのブラックオックスもいない。 何て言うんだろう、特撮ものをやったのは後にも先にもこれっきりですが、不思議な感じです。 録音部さんの竿を借りてその先っちょに発砲スチロールの球体を鉄人の顔と見立てて差してその竿を助監督が鉄人の気分になって動かしていましたから。 それを見ながら俳優部さんは芝居をするのですから。 ちゃんと気合い入れてやってくんないと芝居にならないからね、なんて伊部雅刀さんとか柄本明さんに言われたりしながら。 果たして こんなことを奥田さんもしていたのでしょうか? 7月31日から妄想レイトショーが始まるそうです。 見に行かねば! てか鉄人の実寸大ロボットが神戸にあるのでそれも見に行きたい! 僕たちが撮影現場で見たのは頭と足だけだった。 そして、その顔立ちはとても無骨で愛嬌があって良かったのです。 何せ鉄人は察しますから。

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