包容力のある男になりたいものよ。
出来うれば、望むべくは、包容力のある男になりたいものよ。
カツ丼は好きだ。とっても好きってわけではないけれどまあまあ好きだ。
同様に肉まんも好きだ。まあ好きだ。好きだーって叫びたくなるほど好きじゃないけど、まあ好きだ。
でも、これはどうだ。
とある高速のサービスエリアで「カツ丼まん」ってのが売っていた。
これはですね「カツ丼」を「まん」で包んでいるのだ。
いいですか皆さん。
「カツ」を「まん」が包んでるんじゃないんですぜ。
「カツ丼」を「まん」が包んでいるんだ。
つまり「カツ」と「ライス」を「まん」が包んでいるんだ。
んなバカな!と、あなたは思うかもしれない。
筆者もそう思った。
カツ丼は好きだ。肉まんも好きだ。しかしカツ丼まんは••
勇気がなかった。勇気がない男なんだ。
だから、そのサービスエリアを訪れる度に気にはなっていたけど食べたことはなかった。
漫然とそのカツ丼まんを横目で見ていたよ。
しかし、つい先日そのサービスエリアを訪れた時だ。カツ丼まんは姿を消していた。
周辺を探してもない。
消えてしまったカツ丼まん。
消えてしまってから思う。
食べときゃ良かった。
だったら食べときゃ良かった。
♪気づいた時には遅かりし〜
そして思う。
長年「カツ丼」を包み続けた「まん」のことを。
最初は驚いたことだろう。
何で俺、「肉」でも「あん」でも「ピザ」でも(これも少し変だ)「カレー」でもなく、「カツ丼」なんすか!
面食らいながら「カツ丼」を包んだ「まん」。
渋々包み始めたけど包み始めたら職務を全うしてそっと優しくふんわりと「カツ丼」を包み続けた「まん」
何て包容力のある「まん」
そんな「まん」に俺もなりたい!
て車を走らせながら、サービスエリアを後にして車を走らせながら思った。
さらばカツ丼まん!
君に会うことはもうないだろう。