「平壌6月9日高等中学校•軽音楽部」読みました。
爆風スランプのファンキー末吉が北朝鮮の女子高生とのロック交流
を書いた本です。
数年前にテレビで見て衝撃を受けたのですが、その後も交流は続いてたのですね。
これは多くのマスコミが伝えない北朝鮮のことが書いてあります。
ファンキー末吉は北朝鮮の軽音楽部の女子高生たちとロックをやります。
最初に行った時にはドラムセットもボロボロでギターも弦が三本しかなくてという状況から
始まります。
そしてオリジナルの曲を作り演奏します。
数年前にテレビで見た時も、この本を読んでみても思うのは
所詮同じ人間だ、という事です。
今まで聞いたことのない音、演奏法を聞いた女子高生たちが無邪気に喜びます。
ファンキー末吉のドラムの音がうるさいと学校の隣の軍の施設からクレームが来て中断した後は
音楽の先生が教室の窓を毛布でふさいで協力します。
僕がテレビで見た時に強烈に覚えてるのは公園で花見をしている一団にファンキー末吉が
誘われて一緒に仲良くお酒を飲むシーンです。
んなことあるのか?
びっくりしました。
このことを当時友達に言うと「そんなの全部演出されてるに決まってる。北朝鮮は
そういう国だ」と言われた。
そうなのかな?そうかもしれない。でも、そうは見えなかった。そうじゃないかもしれない。
北朝鮮の人たちはみんな洗脳されてると言うけれど、そう思い込んでる日本人も逆に洗脳されてる
んじゃないか?
所詮同じ人間だから北朝鮮にもいい人はいるし、日本にもいやな人はいる。
北朝鮮は日本人を拉致した。ひどい事をすると思う。でも、戦争で日本は朝鮮にひどい事をした。
ファンキー末吉は7年間に渡って北朝鮮に通っている。
この間の金正日が死去した後にも行ってる。女子高生たちにそのことを尋ねると号泣する。
これも演出か?
そうじゃないと思うと同行したディレクターは言う。
「平壌の人はほんまに悲しいんやと思いますよ」
戦前の日本と一緒じゃないだろうか。もちろん当時だって天皇陛下万歳じゃない日本人
だっていただろうし、今の北朝鮮だって金正恩万歳の人ばかりじゃないだろう。
こないだの中国の反日デモだってごく一部の人が起こしたことだと思う。中国に長年住んでいる
ファンキー末吉も実感としてそう思うと言う。
しかし報道される時にそうした面は切り落とされる。そして政治家はそれを利用して勇ましいことを
言って人気を稼ごうとする。
新聞や雑誌はひどい見出しが並ぶ。何だこれは!と思うけど、みんながそう思えば買わないから
売れる見出しなんだろう。てことは、それに共感する人が多いのか。でも、売れるからってそれでいいのか?
ファンキー末吉は思う。自分のロックの教え子たちのもとにミサイルが飛んでいきませんようにと。
近い将来日本が威勢のいいことを言う政治家が望む通り戦争を始めるかもしれない。
いや、さすがに戦争は望んでないかもしれない。けど威勢のいいこと言い続けているうちに
歯止めが利かなくなるかもしれない。
そしてもし戦争が始まったらあの教え子たちのもとにミサイルが飛んで行きませんように。
政治家やマスコミは敵を作る。その方が都合がいいから。
でもそこからこぼれ落ちるものがある。
そこを信じてやって行くしかないのかなと思う。
[youtube https://www.youtube.com/watch?v=Q05d_mX5hwU]