昨日は風間志織監督の新作「チョコリエッタ」の初号試写がありました。
久しぶりの作品です。前作「せかいのおわり」の公開時に赤ちゃんだった風間さんの男の子も
ももう小学校三年生です。時は流れます。いつのまにかこんな世の中です。
映画の長さは2時間39分あります。
長いです。
普通に考えれば長いけど、けど、長くなかった。
風間さんの思いのつまった素晴らしい映画でした。
主役の森川葵さん、その先輩役の菅田将暉くんもちゃんとそこに存在していて
もどかしい青春ど真ん中をさまよっていました。
「チョコリエッタ」は去年の夏名古屋で撮影していたので実家に帰りがてらちょびっと手伝いに行きました。
風間さんは相変わらず静かに静かに粘っていて主役の二人はそれに応えようと頑張っていました。
風間さんには「火星のカノン」と「せかいのおわり」に助監督でつきました。あんなに粘る監督は
いません。たくさんたくさんテイクを重ねます。あんまり何度もやるので「もう一発行くかーい?」
なんて言って撮影してたこともあります。そうです。風間さんも清志郎が大好きなのです。「もう一発行くかーい?」
は清志郎のライブでの決まり文句です。そして「火星のカノン」のエンディング曲はRCサクセションの「たとえばこんなラブソング」でした。東京国際映画祭で「火星のカノン」が上映された時には清志郎が来るかもしれないと情報があって、もし来たらサインしてもらおうとドキドキしながら清志郎の散文集の名作「十年ゴム消し」を手に待ってたこともありました。(結局来なかったけど)
僕が最初に撮った映画「バカバカンス」のタイトルも風間さんが清志郎の「バカンス」って曲からタイトルをつけてくれたのでした。
そんな清志郎も死んでしまった。
そして「チョコリエッタ」です。清志郎亡き後、世の中は全然良くならないけど風間さんは清志郎に
恥じない映画を作りました。
映画を見ながらびっくりするくらい涙ポロポロこぼれて自分で自分に驚きました。
あんまり涙腺弱くないはずなんだけどなぁ。あくびするととってもたくさん涙出るけど(少し自慢)
今日は一日「チョコリエッタ」のことを考えて過ごしました。春一番が吹きました。上の人の洗濯物が
僕の部屋の物干竿にひっかかっていました。風が強い日でした。
この映画がたくさんの人に見てもらえることを願います。
海に向かって叫びたくなる映画です。そんな映画なんです。