裏表紙の文章を読んですぐ買いました。
この本が書かれたのは昭和55年頃です。
この当時も憲法9条を変えようと言う評論家がいて、それに
山口瞳が反論してるのです。
軍隊経験のある山口瞳は言います。
「麻雀をやっていて凄く良い配牌のときに「夢ではないか」と叫ぶ人がいるが、憲法9条を知ったとき、私は「夢ではないか」と思ったものである。こんな幸運があっていいのだろうか。命をかけなくていいだけではなく、日本国が私の命を守ってくれると約束したのである」
「私は小心者であり臆病者であり卑怯者である。戦場で、何の関係もない何の恨みもない一人の男と対峙したとき、いきなりこれを鉄砲で撃ち殺すというようなことは、とうてい出来ない。「それによって深い満足を得る」ことは出来ない。卑怯者としては、むしろ、撃たれる側に命をかけたいと念じているのである。」
卑怯者万歳!
と思います。
この文章が書かれてから30年。今、またこんな時代になってしまった。
ずっと戦後を生きてると思ってたけど、ひょっとして今は戦前を生きてるのかもしれないとこないだふと
思って怖くなった。
図々しい性格だから戦前の日本を思う時何やってたんだと正直思ってた。みんなしてどうかしてたんだ日本人。
って思ってたけど。
30年前に憲法9条改正を訴えた評論家はでもそれはほとんど不可能であるとも言っている。
30年前はそうだったんだ。
けど30年過ぎた今、それはほとんど不可能ではなくなってきた。
卑怯者山口瞳は今ごろ嘆いてることだろう。
卑怯者でいいよ。卑怯者かっこいい。卑怯者で行こう!