宮田宗吉のブログ

バカな頭で考えた!

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ジャンバラヤ

ジャンバラヤを作るつもりはなかった。

しかし作った。

いや花見の話だ。

うちのアパートの隣の公園の桜が見事なので花見をやることを思い立ち

こじんまりと花見をやった。その時の話。

花見と言えば悲しいかな寒さとの戦いだ。

花見の記憶は寒さの記憶。

と言っても過言ではあるまい。

いや少し過言だけど。

ともあれ寒くなることは目に見えている。

のでミネストローネを作ろうと思ったのだ。

冷蔵庫にミネストローネの缶詰があったからね。

鍋を用意しガスレンジに置き、さて調理法はとミネストローネの缶詰を

見るとこのままご飯と一緒に炊くとジャンバラヤになると書いてあるではないか。

ジャンバラヤ!

まるでファミレスじゃないか!

ってことで予定変更でジャンバラヤを作ることにした。

俺は妄想した。

隣の公園に俺は鍋を運ぶ。

そして

ジャンバラヤだよー!

って鍋の蓋を開ける。

と熱々のジャンバラヤが顔を見せる。

何だか素敵だ。

それにこの

ジャンバラヤ

という言葉。

この言葉の響き。

何て言うか口に出して言いたくなる言葉だ。

ジャンバラヤ。

そう世の中にはそんな言葉がいくつもある。

ドッペルゲンガー とか デベロッパー とか ガストロンジャー とか••

そして思う。この日本でどれほどの人がジャンバラヤを作ったことがあるのか?

チャーハンやピラフは普通に作る。ちょっと変わったとこでパエリヤも時に作ることもあるだろう。

しかしジャンバラヤ。

ここがメキシコならいざ知らず、ここは日本なのだ。

ファミレスでチキンとジャンバラヤがセットになったのを食べたことは何度かあるけれど。

積極的に自らジャンバラヤを作ろうと思ったことはなかった。

これはいい機会。千載一遇のチャンス!

千載一遇!

これも言ってみたかった!

そして言った!

それはともかく俺は作ったジャンバラヤ。

そのまま缶詰とご飯だけでは芸がないのでコンソメの顆粒と塩こしょうを投入して炊いた。

ガスレンジで炊いた。

初めチョロチョロ中パッパ。

だ。

この後

赤子泣いても蓋取るな。

と続くが、これはここ十数年無視することにしている。

蓋を取って中身を確認している。

だって赤子泣いてないし。

この「赤子泣いても蓋取るな」の言葉に固執して

焦がしたこと数知れず。

だから蓋を取って確認することにした。

そうやって生きてくことに決めた。

で出来た。蓋を開けて確認しながら炊き上げたジャンバラヤ。

完成したよジャンバラヤ。

何度でも言いたいジャンバラヤ。

俺は鍋つかみでジャンバラヤの鍋をつかみ隣の公園へと運んだ。

ジャンバラヤだよー!

出迎える花見の参加者たち。

「すごーいジャンバラヤなんてファミレスみたい」

って。フフ。思うつぼだ。

ジャンバラヤをそれぞれの茶碗に盛りつける。

と、須田くんが(そうバカバカンスの主演の須田くんが参加していたのだ)

「なんかマカロニ載ってますけど」

って。

そう、よく見るとご飯の上に野菜たちと混じってクルンと丸まったマカロニがひょこっと載っかっている。

これは••

「それは洋風そばめしってことで」

俺はとっさに須田くんに弁解した。

そして思った。ミネストローネとご飯を一緒に炊いてもジャンバラヤにはならないな。

ミネストローネがそんなに簡単にジャンバラヤにならないよ。

それはイタリア人にもメキシコ人にも失礼だ。

そう思いながら俺はそのジャンバラヤもどきを食べた。

結構いけた。

しかし、これがジャンバラヤかと言われると首をかしげざるを得ない。

そりやそうだ。ミネストローネをジャンバラヤにアレンジする為にはもっと抜本的な何かが必要だ。

そもそもマカロニはジャンバラヤに混在してない!

と、こんなことを長々と書いてる俺は一体何なのだ。

だから、しかし、最後に言うよ。

ジャンバラヤ!

 

 

「ファの豆腐」再上映!

一昨年撮影し一度上映された映画「ファの豆腐」が明日3月2日から渋谷ユーロスペースで

再上映されます。

もともと中編映画三本立てだったのですが今回は

そのうちの二本、冬、女優主役ものってことで

「白い息」  というタイトルで上映されるのです。

僕は助監督しました。

監督は久万真路監督。僕の演出部の先輩です。

主役は菊池亜希子さん。そのお父さん役は塩見三省さん。

冬の寒ーい時期に撮影しました。実際に営業されてる

豆腐屋さんに全面的に協力して頂きました。

この映画の通り若い女の子が豆腐屋さんをしているお店を

探してたどりついたお店です。

最初に取材で訪れ「こういうものです」と名刺を渡しました。

たら、あら偶然。そのお店の創業者のおじいちゃんと僕の宗吉

っていう名前が同じだったのです。

んなこともあるんですねー。

結局、取材だけのはずが撮影までさせてもらい更に何と撮影の打ち上げ

までさせてもらい、その後もつきあいが続いてるのです。

豆腐屋さんの仕事をここまで細かく描いてる映画もないと

思います。

良かったら見に来て下さい!

そしたらきっと豆腐を食べたくなることでしょう。

 

新作撮ります!

山形県の鶴岡市にある加茂水族館を舞台に映画を撮ります!

加茂水族館はクラゲの飼育で有名なとっても味のある素敵な水族館です。

タイトルは「クラゲになりたい(仮)」

クラゲの飼育員のお兄ちゃんとパン屋のお姉ちゃんのおくびょうな恋の物語です。

でもってキャストオーディションします。

詳しくはこちらもしくはこちらをご参照下さい。

よろしくお願いします!

卑怯者の弁



三鷹の古本屋の店頭の100円コーナーで発見しました。

裏表紙の文章を読んですぐ買いました。

この本が書かれたのは昭和55年頃です。

この当時も憲法9条を変えようと言う評論家がいて、それに

山口瞳が反論してるのです。

軍隊経験のある山口瞳は言います。

「麻雀をやっていて凄く良い配牌のときに「夢ではないか」と叫ぶ人がいるが、憲法9条を知ったとき、私は「夢ではないか」と思ったものである。こんな幸運があっていいのだろうか。命をかけなくていいだけではなく、日本国が私の命を守ってくれると約束したのである」

「私は小心者であり臆病者であり卑怯者である。戦場で、何の関係もない何の恨みもない一人の男と対峙したとき、いきなりこれを鉄砲で撃ち殺すというようなことは、とうてい出来ない。「それによって深い満足を得る」ことは出来ない。卑怯者としては、むしろ、撃たれる側に命をかけたいと念じているのである。」

卑怯者万歳!

と思います。

この文章が書かれてから30年。今、またこんな時代になってしまった。

ずっと戦後を生きてると思ってたけど、ひょっとして今は戦前を生きてるのかもしれないとこないだふと

思って怖くなった。

図々しい性格だから戦前の日本を思う時何やってたんだと正直思ってた。みんなしてどうかしてたんだ日本人。

って思ってたけど。

30年前に憲法9条改正を訴えた評論家はでもそれはほとんど不可能であるとも言っている。

30年前はそうだったんだ。

けど30年過ぎた今、それはほとんど不可能ではなくなってきた。

卑怯者山口瞳は今ごろ嘆いてることだろう。

卑怯者でいいよ。卑怯者かっこいい。卑怯者で行こう!

燃えろよ燃えろ

新しいガスコンロをひねると

チチチチチチ•••

という音ともに点火する。

この

チチチチチチチ•••

が岡村ちゃんの「ブーシャカループ」みたいで

頭の中で

ブー ブー シャカラカブー

とメロディーが始まる。

そこまではいい感じ。

だのに、あぁ、だのに

最近のガスコンロは勝手に火を弱める。

こっちはやる気マンマンで中華鍋を熱しパラパラチャーハンを

作る気でいるのに、ヒョイと、いや危ないし、って火を弱める。

余計なことを••

と思う。

この勝手に火を弱める設定は数年前から法律で決められたみたいだけど。

何なんだろうこのお節介は。

良かれと思ってやってるんだろうけど。

自由に強火でチャーハンを作らせてくれよ!

ねー岡村ちゃん。

[youtube https://www.youtube.com/watch?v=sTC65iC3oqI]

東京の雪

昨日は東京で雪がちらほら降りました。

二週間くらい前に東京で雪が降るぞ降るぞと言ったけどたいして

降らない日がありました。

その日はたまたま山形にいました。

ホテルのテレビで東京のテレビ局が伝える東京に雪が降ります!

ご用心下さい!としつこく伝える映像を見て思った。これは一体何なんだ?

この情報は何のため?窓の外は雪景色の山形でこのニュースを見るのは何だか

間がぬけてました。

東京で雪が降ろうが降るまいがそんなことはどうでもいい。

でも東京でテレビ番組で作ってるとそういう意識がまひするんだろうなー。

何となく意識はしてるんだろうけど。

しかし雪が降ってないのに街角に出て雪降ってませんと伝えるアナウンサーも取材クルー

も大変です。

僕が現場にいたらきっと雪降ってくんないかなーって思うことだろう。いいなー八王子チームは

雪降ってて新宿は雪降ってないもんなー。八王子行きたかったなー。帰りに八王子ラーメン食べてなー。

っていつのまにか新宿取材チームの一員になって妄想してますが。

東京の降らない雪報道にあきれながら朝食を食べにホテルの食堂に行くと山形の地元新聞

が置いてあって、一面は映画「おしん」の制作発表を伝える紙面でした。

我らが冨樫監督の最新作でがんすよ。

こんなんでいい。と思った。「おしん」映画は山形じゃ大ニュース。

東京の雪は山形じゃ知ったこっちゃない。

東京の雪をわざわざ全国で伝える必要なーし。

 

イメージ

イメージってのありますね。

テレビとか映画で持ってたイメージの人と実際会うと違うことあります。

何度かあります。

いいイメージだった人がそうでもなかったり、嫌なイメージだった人が

意外にいい人だったり、ほんわかしたイメージだった人がとってもちゃんとした

人だったり。

だから先入観を持たないようにしようと思うようになりました。

ちゃんと会うまで、目の前で見た感覚を信じなきゃなーと思う。

いや、こないだ必要があって急きょとある方に電話をすることになったのです。

その方はテレビで見る感じではとってもほんわかした方で好感を持ってました。

本も何冊か読んでて。いい人だなーて思ってました。

しかしそれはイメージです。

実際話すまでは分からない。

ドキドキしながら、エイヤっと電話しました。

電話は通じました。話しました。ほっとしました。

イメージのままの方でした。

電話を切った後もうれしい幸せな気分でテンションがあがりました。

よし、このテンションのまま、この気持ちに便乗してかけにくい

電話もかけよう!と思い携帯を手に取りました。

しかし、いやせっかくのこの気持ち。もう少しこのままこの気持ちでいさせて欲しい。

と思い、その電話は翌日にまわしました。

イメージってのあります。

石原慎太郎が嫌いです。威張ってるから。威張ってる人は嫌いです。

しかしそれもイメージだ。

石原慎太郎がとあるインタビューで「中国」と言いかけて「シナ」と言い直したそうです。

少し笑ってしまいました。

大変だな石原慎太郎も。と思いました。

イランが悪者になってます。

アメリカはイラクの次はイランを悪者にしようとしてるような気がします。

また戦争をするつもりじゃないんだろうか?

で思います。「友だちのうちはどこ?」見たことあんのか?「運動靴と赤い金魚」

見たことあんのか?あの素晴らしいイラン映画の数々を見たことあんのか?

僕はああいった映画を見てだいぶ考え方が変わりました。

しかしそれもイメージです。

でも、それが悪いことなのか?映画を見てその国の人々に親しみを感じることは

いいことじゃないか!

あの映画の主人公の男の子が戦争で死んで欲しくない。って思う。

そう思うと北朝鮮で傑作映画が作られて、世界中の人が見て感動したらいいなぁと思う。

こないだラジオに出てた脚本家の倉本聰が「北朝鮮は戦前の日本みたいで親しみを感じる」

と言ってました。

そういう感じ方もあるんだなーと思いました。

清志郎は「噂を信じるよりもあの娘にだまされたい」と歌ってました。

って、とりとめがなくなってまいりました。

なので、おしまい。

 

 

担々麺

「担々麺!」とおじさんは店に入るなりそう言った。

僕は焼きそばを食べ終えてお勘定をしようとしたところだった。

お店に入るなり希望の食べ物を言う男がいる。

僕には真似の出来ない男らしいふるまいだ。

男らしいおじさんは言った。「担々麺!」

と、店のおじさんは応えた「はいワンタン麺!」

ん?

これはやばい!

意思疎通が出来ていない。

担々麺とワンタン麺。

言葉は似てるがその内実はえらい違い。

お客のおじさんは担々麺食べる気マンマン。

お店のおじさんはワンタン麺作る気マンマン。

まずい事態だ。

どうしたものか?俺に何が出来るのか?

小さな無人島ひとつでごちゃごちゃもめてるこの世知辛いご時世だ。

平和を願う元首相は国賊扱いだ。

あの人は脇が甘いと思うけど脇をなめたらとってもスイーティーだと思うけど

そんなことしたくないけど。あんな人がいてもいいではないか。

威勢のいいことばかり言ってると取り返しのつかないことになるかもしれないぜ。

店のおじさんはワンタンを鍋にまさに放り込もうとしてる。

まずい!

しかし待てよ。俺は少し冷静になって壁に貼られたメニューをチェックする。

果たしてそこには「担々麺」の文字はなかった。

そして「ワンタン麺」は、そこに存在した。

意思疎通できてないのはこっちの方さ。

頭を冷やせ俺!

俺は安心して店を出た。

 

 

俺のきゅうり

近所のスーパーにきゅうりを買いに行った。

きゅうりだけじゃない。鳥肉も買った。他にサラダ油とかにんじんとかその他もろもろ

買った。

主たる目的がきゅうりと鳥肉でもそれ以外も買ってしまうのは人の常。

棒棒鶏のソースが家にあったのでそう思いついたのだ。

きゅうりは思いのほか高かった。

今きゅうりは高いみたいだ。

さりとて俺が作りたいのは棒棒鶏。

鳥肉がメインできゅうりは添え物さ。

幸いにもきゅうりは裸のまま一本単位でも売っていたので

そっちを買うことにして買い物かごに裸のきゅうりを一本放り込んだ。

鳥肉ときゅうりをメインにその他もろもろの入った買い物かごを手に俺は

レジに向かった。

レジは三つ。

空いているレジに向かう。

初めて見るバイトの男の子だ。

「いらっししゃいませ」おざなりな声で彼は言う。

あんまりやる気ない感じだ。

それはいい。それぐらいでもいい。スーパーのレジのバイトの男は

それぐらいでいいと思う。

やる気まんまんのレジの男は少し面倒くさく、こっちも何だか申し訳ない気分になる。

おざなりのバイト君はおざなりに「レジ袋いりますかー?」と聞く。

「いります」と答え精算を終え、かごからレジ袋へと買ったものを詰める。

前はレジ袋がなかなか開かず悪戦苦闘して無為な時間を過ごしたことがあったが

水を湿らせたスポンジに指を浸せばレジ袋は簡単にその口を開いてくれることを知ってからは

そんな無為な時間を過ごすこともなくなった。

しかしそれを知ったのはわずか数年前のこと。それまでは無為な時間を過ごしていたことよ。

いや、しかしそれだけではない。思い返せば無為な時間は山ほどあるさ。

そんなことを思ったり思わなかったり本当は思わなかったけど俺はレジ袋に買ったものを詰めた。

そして思った。

何かが足りない。

ボンヤリした頭で考える。

何かが足りない。

そう窓ガラスのいい、いやさっしのいい貴方ならお気づきのことだろう。

きゅうりがないのだ。

俺のきゅうり。

きゅうりはどこに行った?

あ!

と背後で声がする。

振り返る。

おざなりレジのお兄ちゃんがきゅうりを手にこっちを見つめていた。

そういうことか。そういうことだったんだ。

俺は胸をなでまわした。いや、なでおろした。

思えばそのスーパーのかごは濃い緑色。

「きゅうりがかごにまぎれちゃったんだな」

と言いながらきゅうり一本分の追加の精算を終えた。

俺とバイトお兄ちゃんとでどこか通じ合った感じがした。

まぬけなやりとりだった。

しかし俺の次の順番でレジに並んでいたお姉ちゃんはそれに対して全くリアクションが

なかった。

それは少し寂しい感じがしたけどあの娘にはあの娘に何か事情があることだろう。

いや分かんないけど。

スーパーを出て家路を急ぎながら考える。

このスーパーのかごは濃い緑色だったからきゅうりはそこに埋没した。

果たしてこれが黄色のかごのスーパーだったなら、そこでバナナを買ったなら果たして

同じ用なことになるのか?ならないのか?

ならないな。

すぐに思った。

そんな考えは打ち消して家路を急いだ。

何せ俺は棒棒鶏を作らなきゃならぬ。腹ぺこなのだ。

 

 

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